オルガノイドで
解き明かす
ヒト疾患の本質
オルガノイドで
解き明かす
ヒト疾患の本質
私たちの正常な組織には、その機能を恒常的に保つ制御機構が備わっています。組織恒常性を保つ役割を果たすのは「組織幹細胞」と呼ばれる細胞であり、組織の中で自己複製を繰り返し、組織の機能維持に必要な分化細胞を生み出すことができる細胞です。そのため、疾患は組織幹細胞が正常な機能を保たなくなった状態であると言い換えることができます。
我々は、疾患を細胞レベルで研究するために、 “小さな臓器”とも呼ばれる「オルガノイド」の培養方法を開発してきました。オルガノイド培養法は、ヒトの組織から取り出した組織細胞に、組織幹細胞維持に必須の因子を添加することで自己複製と分化細胞産生を促し永続的生育を可能にする手法で、小さいながらも体内における組織と同様の組織構造と機能を持った組織体を再現することが可能です。
当研究室ではこのオルガノイド培養技術を軸に、消化器がんをはじめとする様々な疾患の発生機構・新規治療法の開発を目指しています。